2006-01-01から1年間の記事一覧

凧揚げ

梢の間から、空を見上げる。 桜の枝に落ちるべき葉はもうなくて、空が静かなエネルギーを秘めた額縁に納まっている。 風が吹く度にこすれあって枯れ葉がしゃわしゃわと地面で音をたてる。 枯れ葉に囲まれた原っぱももう赤茶けて、草株の白く枯れたのだけが、…

靴のサポート

毎日が、とても寒い。 ただでさえ寒がりなのに、 風邪で体力が消耗したせいか体の中心が薄ら寒いような気がする。 スカートをはくのは寒いので毎日がズボン。 それなのにやっぱり寒くて嫌になる。 スキーウェアじゃないように見える(と、思っている)ズボン…

我儘願いの室内日

風邪回復期。 家の中にいると本屋にも行けず、人にも会えず、 楽しいことといったら新聞を読むことと、ぐだぐだと物を考えることと、 物を美味しく頂くこと・・・。 人と新しい本に会えないことを除けばさほど苦痛なことではない。 が、せっかくの12月の休日…

犬とおばさん

「こら!」 道の脇から出てきたおばさんが突然叫んだ。 ビクッとしておばさんの視線を辿ると、叫ばれて凝固した黒犬がいた。 「だめでしょ!」おばさんがもう一度叫んでそちらへ駆け出すと、 黒犬はだっと駆け出した。 艶々とした真っ黒な毛並みが目の前を横…

色合い

パラパラと少し硬質な音を立てて金色の葉がハラハラと風が吹く度に道路へ落ちる。 銀杏の葉が落ちると、そっけないほどにグレーな道路がぱっと華やぐ。 銀杏は生きた化石。 日本や中国にはあっても、たしかヨーロッパには自生していないもの・・・だったよう…

同窓会といじめと・・・

先日、小学校の同窓会があった。 3,4日前に連絡があってするするっと決まったのだ。 積極的に連絡を回すというより、思いついた人に回すという 実に消極的な同窓会。 1次会の出席者は6名で、2次会は25名ほど。 「久しぶり!最近どうしている?」という明日…

冬の朝

ふと、肌寒くて目が覚める。 枕元の時計は暗い部屋の中でぼんやりと薄緑色に輝く針で5時30分を教えている。 目覚ましのいらない目覚めは珍しい。 布団の中のぬくもりにもう一度浸ろうと思ったものの、折角の機会。 目覚めてみる事にした。 西の空も東の空…

美輪明宏コンサートにて

空にぼんやりとした半月が浮かんでいる。 最近ブログの更新が進まない。 何故と言って・・・寒くって色々が億劫であったかいものを食べて飲んで のんびりしているのが心地よいのに加え、誕生月間。 たっぷりと遊び歩・・・もとい旧交を温めているのが原因で…

お誘い電話

「ねぇ、明日・・・暇?」 携帯がネバーエンディングストーリーのテーマ曲を歌うのを止めると、 友人の声が飛び込んできた。 二人して山登りに行けば、誰もいない山道を大声で歌い合い、語り合い、 くすくす笑いつつ、道に迷って真っ青になり、 麓の温泉での…

大好きな友人達に

0時ちょうど。 17日になった瞬間。 電話で長話中だった友人から「お誕生日、おめでとう!!」の言葉が・・・嬉しい♪ 電話後、朝方、お昼、18時に20時前後。そしてまた・・・ 大好きな友人達から「おめでとう!」のメッセージや電話を頂く。 「ありがとう!」…

サプライズ大成功!!

「え〜、え〜、え〜、どうして〜! あれ〜、え〜、嘘〜、どうして〜、(連絡)どうやったの〜!」 友人が酸欠になりそうなほど驚いている。 してやったり。 友人の姿を見ながら笑みがまったく止まらない。 2ヶ月近く、この友人の驚きを、笑顔を見るために黙っ…

再会

土曜日、朝から雨が降っていた。 外へ出ると昨日までとは少し違った寒さにどきりとする。 息を強く吐くと空気に白い筋が出来た。 空気が白くなるのはこの冬初だ。 アスファルトが濡れて黒々としている。 近所の庭先の柿の木が華やかな赤と緑の斑に染まった葉…

大好物に釣られた子供

食べられる・食べられないというこだわりの下に 好きか嫌いかというこだわりがあり、 更に 大好物と好物の区分が出来ている。 子供時代のそれは鰻に寿司に親子丼。 何が食べたい?と聞かれては「お寿司」。 どこへ行きたい?と問われては「鰻」。 今日の夕飯…

立冬

風が随分と強くて、表へ出ると首をすくめる。 電車は強風の為予定よりもゆっくりと来てゆっくりと走る。 のんびりとした電車の中で、じりじりと気持ちばかりが先走りはするのだけれど、 電車の速度は速くも遅くもなるはずがなく、新しい駅に到着する度に 「…

子供たちの喧嘩

今も正しかったのか良くわからない。 先日、電車の中で騒いでいる子供たちがいた。 雨が降った日、 小学3年生くらいの4人組が黄色い傘を 扉の近くの吊り輪に掛けてサンドバックに見立てて順番で軽く叩いていた。 傘は小さな彼らの拳に撃たれてゆらゆらと水滴…

旭山動物園2(動物達+α)

昨晩からぐっと冷え込み、今日の東京はセーターが必要なほど寒い。 15度。 先週行った北海道の昼間の気候と似ているけれど、晴れていたあちらと違って こちらはどんよりとした曇り空。 陽射しがない分、寒く感じる。 湿り気を帯びた落ち葉が道を、音を立てな…

旭山動物園 1 (動物園の動物以外)

旭山動物園は心臓破りの坂だらけと聞いたけれど、特にそれほどひどくない。 確かに坂は多いけれども楽しむよりも回りきることをメインに置くのでなければ、 それほど辛い高低ではない。 ツアーの方が1日目の予定を前倒しにしてくれたお陰で、 棚から牡丹餅…

北海道にて・層雲峡など

層雲峡に初霜が降りた朝は、しっかりと着込んでも尚寒く、 どこまでも澄んだ青空の下、 色づいた山々は絵よりも鮮やかに振袖の刺繍よりも艶やかに装い、 山の上から吹き降ろされる風に、 ひらひらひらひらと銀色に光る葉が山頂から順に散らされてゆく。 銀に…

仕事を愛している二人・北海道への行きすがら 

早朝、3時30分。 人によっては深夜という時間に起床。 宵っ張りの生活習慣。 睡眠時間は1時間と短いながら、楽しみだった旅行の日。 睡魔の誘惑に負けはしない。 空には寝ぼけ眼の半月がうっすらとした雲の合間に光り、 街灯はぼんやりとした薄もやをかぶっ…

核実験に思うこと

先日、北朝鮮が核実験を行ったという報道があった。 その時ふと、テポドン2号が腐食していたのではないかという報道があったことを思い出した。 発射までに時間をかけすぎて燃料が悪くなったはずだというのが、 米国国防総省の科学委員会の見解で流されてい…

北へ行くのだ

空はスカッと晴れやかで、夏の倍ほど高くにあって、 陽射しはキラキラと葉を輝かせ、 風はあたたかに気持ちよく、5月のような陽気でも 空気は季節に違わずカラリと乾き、風邪引きさんがあちらもこちらも。 3連休で遊びすぎたのか。 それともゆっくりし過ぎ…

旅行社コミュニケーション

友人が旅行に行くので旅行社に行くと言う。 情報は旅行雑誌やインターネット、電話でしらべるばかりで 実際に旅行社に行ったことがほとんど無い。 一緒に付いて見ていてもいいかと聞くと、 友人は「勿論」と笑い、他人のなんて面白いかなあと言う。 昼間のう…

洗剤の啓蒙。

段々と日を重ねるごとに肌寒さが染みてくる。 今日のように雨の降る日は、特にまた。 昨日までの自分にもう1枚羽織って外を行く。 金木犀ももう終り。 小さな色褪せた橙色の花が濃い緑の葉の間で僅かにしがみついている。 しっとりとした空気は金木犀に代わ…

駆け引き

原っぱを、尖った耳をした白い犬を連れておじさんが行く。 夏の間は上半身裸で日光浴をしていた人も沢山いたけれど、秋の昼時。 天然日焼けサロンは開店休業。 原っぱはおじさんたちと、遠くに見える赤い自転車だけのもの。 陽射しは透き通るほどに金色で、…

三輪壽雪さん、明日まで

朝から窓を開け放したままにしていたら 部屋が金木犀の香りに染まっていた。 お日様にあたってふかふかになった布団にゴロンと寝転び 大きく息を吸って伸びをした。 風が部屋の外の竹の葉を揺らし、せせらぎのような音を立てた。 やわらかく吹き込んでくる風…

虹の根元

夕方、銀座の空を見上げると 紗の様に薄い赤の掛かった青空に朱金に光る雲が浮いていた。 空はどこまでも高く、雲もビルのぐんと上にあり、 思わず息を止めてしまうほど綺麗過ぎて、どこか現実離れして見えた。 「不思議に綺麗ね」と思わず母に言うと、 母は…

朝食の起源

熱々のイングリッシュマフィンを二つに割って、 黄金色の蜂蜜をとろりと入れて、小麦胚芽の粉をどっさり挟んでパクリ。 マフィンのさっくりふんわりとした感触と小麦粉の甘味、 蜂蜜のじゅわっと広がる甘さと胚芽の香ばしさ。 食べている間に胚芽が散るのが…

歌舞伎に行ってきたけれど

今日は歌舞伎座昼の部へ。 高校時代、 「吃又(どもまた)」の吉衛門さんを皮切りに歌舞伎座に通い詰め、 高校時代に得たお金のほとんど全て歌舞伎につぎ込んだと言える私としては、 吉衛門さんが出ている「引き窓」はやはり良くて涙したものの、 同じく出演…

一部停電

一昨日の未明、東京は凄まじい雷雨に見舞われた。 雷が落ちる度に震度3ほどの振動が寝台に伝わり、 本棚の本がばさばさと落ちる。 尋常でないほど大きな雨粒が吹き荒れる風にまかせて窓や壁にぶつかると、 木造の家の筈なのにまるでトタン屋根の下にいるよう…

ちょっぴり間抜け

夕方を過ぎて、体の中にこもるようだった暑さが すぅっと抜けていく。 涼しい風が部屋の中にもわりと寄り道をしていく。 昼間の暑さがまだ体の芯に燻るようで、 窓際にござでも引いて寝たい誘惑に駆られるけれど、夜はもう秋。 風邪を引くのは必至でぼんやり…