2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたはだあれ?

今、東京は雨だ。 したんしたんと落ちる雨の音は、もう夏が終わったことをはっきりと告げている。 地面の上に落ちた雨粒は、せせらぎの音を立てながら無数に蛇行する小さな川を作っている。 秋の雨は、夏よりも少し音が固い。 実際に雨粒が固いのか、ぶつか…

目をつむって歩こう!

窓から忍び込んでくる風がひんやりとしてきた。 今夜は蝉の声が全くしない。 賑やかだった彼等に代わって、こうろぎや鈴虫が鳴いている。 チュンチュンチュンと合間に鳴くのは何の虫だったろう。 雨が降ったわけでもないのに、 空気がしっとりと湿り気を帯びて…

電話!しまった!またやった!

「じゃあ、またね」 「ばいばい」 と、電話を切る。 そして・・・ 誰もいない道端で携帯片手に 手を振っている自分に 愕然とする。 いつもというわけじゃないけれど、気持ちの入った電話の後は特にそう。 人込みの中だとなお恥ずかしい。 大好きな友達から、…

夏休みの終わる頃

台風一過と思ったら、 酷暑の変わりに 秋の気配がやってきた。 風にのる匂いも 青草が少しづつ勢力を弱め、 土が一層甘い香りを放ち始めている。 夏の土の匂いも甘いけれど、 秋の熟成されていく香りは絶品。 これから広葉樹の葉が色づき、 落ちていくにつれ…

何を求める?政治家に・・

衆院選だ!新党だ! 世の中どうもかしましい。 正直に言って、政治のことは分からない。 わかりたいと思っていても、 政治や法の裏に色んな事情や都合があってなかなかどうもわからない。 政党がどうこうと言いたくたって、よくわからないからどうにもならな…

公衆電話に呼ばれたら。

駅からの帰り道。 突然、黒電話のような音がした。 何回も鳴ったのに全然止まる気配がない。 いくら気長でも電話だったらここまで相手を待ちはしない。 一体何の音だか気になった。 もう少し行けば新聞の集配所がある。 もしかしたら、 新聞配達の誰かの目覚…

夢の中では・・・

昨日からベランダの風鈴が鳴らない。 リンリンといつもうるさいぐらいだったのに。 凪いでいるのではなくて、 昨日の昼下がりの夕立で 風鈴の尻尾が硝子の傘を叩く部分と一緒にどこかへ消えてしまったから。 尻尾も音もなく ふらふらと揺れる風鈴は存在感ま…

夜が明るくなったので・・・

最近、気がつくと蝉が道の上にいる。 8月ももう半ば過ぎだ。 夜に蝉の声を聞くようになったのはいつの頃からかな。 1年、2年といったことじゃない。 まだ本当に幼い頃に、 「あら、街灯に蝉・・・夜なのに鳴いているわ」 なんて夏祭りの帰り際に母が呟い…

目玉焼きのルール

創業明治28年、今年は創業110周年。 先日は仕事帰りの友人と銀座をブラブラ。 住所を頼りに友人が行きたいという店を捜すも、 見つからず。 ふらりと煉瓦亭に入った。 煉瓦亭は、初めてカツレツを作った洋食屋さん。 キャベツの千切りをカツのお供にしたのも…

一番の場所

花を摘んでくれば一番の花を 絵を買ったならお気に入りを。 掃除の時は一番最初か、一番最後。 一等綺麗なものを必ず置くベストポイント。 誰のうちにもきっとあるのだと思う。 我が家のベストポイント、実はトイレだ。 一番じっとしていなくてはいけない。 …

涙の意味

電車の中で赤ん坊が泣いていた。 ふんわりしたひよこ色の服を着て、白いよだれかけをかけられた赤さん。 あたたかいお母さんの腕に抱かれているのに、これ以上ないくらいぎゅっとお母さんを捕まえて。 妙に寂しそうな声音で泣いていた。 お母さんの服をしわ…

優等生とスズメバチ

どこかのお家の塀の上から 真っ白な百日紅の花が零れて来る。 アスファルトの上にふわふわとした真夏の雪が溢れている。 夏の真っ青な空を後ろに見る白は、 なんだか違う季節のものが咲いているようで少し眩しい。 道端に落ちた花を拾いたくて近づくと、 何…

地震が起きて思うこと。

プール袋を提げた子供達とすれ違ったら 塩素の臭いに混じって、甘いミルクのような汗の臭いがした。 くしゃくしゃになった髪の先まで、しっとりと濡れている。 子供の頃、汗を臭いと思ったことはあまり無い。 ううん、もちろんくさいはくさいのだけど嫌な感…

忘れられない親子丼

東京生まれの東京育ち。 食いしん坊の家族の中で育って、当然私も立派な食いしん坊。 小さい頃から美味しいものも、変わったものも食べてきたとは思うけど、 好物は?と聞かれたときの答えはやっぱり日本人。 今も全く変わらない。 うなぎに、お寿司に親子丼…

赤い靴

先日、チエ・トミオカバレエ団の チエ・トミオカ帰国25周年記念公演を観にいった。 チエ・トミオカというのは、1969年から1980年までヨーロッパで踊られていた方だ。 日本に帰ってからはパリ・オペラ座スタイルでのスクールを開講。 ヨーロッパで培…

舌の退化?それとも適応?

美味しいものを食べるのは好き。 春になれば、ほろ苦くて甘いもの 夏になれば爽やかなもの。 秋はこっくりと滋味のあるもの。 冬はどっしりとしたものに心が動く。 もちろん、季節の流れだけじゃない。 ああ、今日はこれがいい! こんな感じが食べてみたい。…

東京駅のお風呂

ベランダのトマトの葉っぱが一部、くるりと裏返って茶色くなってきた。 でも、もう私は気にしない。 葉が茶色くなりながらも、ついている実が真っ赤に色づいてきたから。 きっと葉っぱの役目はそろそろ終わり。 病気や水の問題ではなかったよう。 ベランダの…

なりたかったもの。

昔、自分のことを白い大蛇の生まれ変わりだと思っていた時期がある。 白くてすべすべとした鱗で紅い目をした蛇。 アルビノ。 ナルニア国物語や、それを始めとする本を読んで 頭がよくて、強くて、プライドの高いケンタウロスに憧れた。 自分がいて座じゃない…

この話を知りませんか?(たぶんSF)

今日、公園の緑の屋根の下を帰るとき。 天から蝉達の声が次から次へ降ってきた。 次から次から次から・・・・ ふと、雨に打たれていると思った。 セミ達の声を浴びて歩いていくのは なぜだか、雨を浴びて歩くのに似て、しっとりとする。 蝉時雨ってこういう…

しけった花火に火をつけたらば・・・

暑い日は、花火をしたくなる。 別に花火をしたからって涼しくなるわけじゃないけれど パチパチと音を立てて散る火花を見ていると 不思議と暑さが気にならなくなる。 これも風鈴といっしょ、一種の文化的暑気払いかな。 風鈴を知らない人の前にぶら下げても …

黙祷

昨日、黙祷を捧げた 亡くなった多くの人たちが 安らかであるように、成仏されているように 幼い頃、なんども繰り返される悪夢の1つに 空襲の夢があった。 近所のおじいちゃまおばあちゃまに可愛がられていたからかもしれない。 私は細い路地の間を走ってい…

今、パソコンが壊れたら?

今日は夏の雨が降った 雨雲が太陽を覆うのに妙に周りは薄明るい。 どこかで雷が落ちるごとに 空がふっ、ふっ、と明るさを増していく。 ざんざんと雨は降り くるぶしくらいまで上がった水煙の間を 靄のようになった蒸気が移動していった。 このところの暑さで…

皇帝ペンギンより

この間、映画「皇帝ペンギン」を見てきた。 サントラが可愛い 映像が綺麗 蒼く冴え冴えと光る氷も ペンギン達の泳ぎの俊敏さや色っぽさ 空で7色に怪しく揺らめくように燃えるオーロラ。 (狐の尻尾という所があるけれど、もしあんな尻尾を持った妖狐がいる…

ボンネットの卵焼き

ざっと水を撒くとアスファルトの上から蒸気があがる。 しゅわしゅわという音が肌に絡み付いてくる。 花に水を遣る際の湿気は、一瞬むっとして、 でもすぐ ひんやりとして気持ちがいい。 撒いていると、打ち水効果でスゥっと風が滑り込んでくる。 熱い地面+…

彼はアメリカに帰る。

昨日は雅叙園にデートに行っていた 明後日、彼がアメリカへ帰るのだ。 卒業してしばらく日本で遊んで、今度はUCバークリー大学院の学生になる。 彼と私は恋愛関係に一切無いが、 とても寂しい。 そんな頻繁に会っていたわけではないけど、 一緒に鯨を食べ…

バスの味、くらげの味

コスト掛かって見入り少なし。 エチゼンクラゲ大発生! 漢字で書けば「越前海月」 なんだか昔の仁侠映画に出てきそうなお名前だ。 「素人さんに迷惑かけない」が任侠ならば、 エチゼンさんは、 「玄人さんも素人さんも関係無し」。 まあ、あちらとしたらただ…

日焼け止めの塗り忘れ。

実は、この間の盆踊り最終日。 海に行っていた。 当然、行くはずだった盆踊りにはいっていない。 会場にあった人に、「もっと盛り上がる大会がある」と聞いたせいでもある。 もちろん、一番の理由は「今年初の海」に惹かれた為。 思いつき企画のため 前日に…

人に言えないやけどの理由。

時々、人はやけに大胆になる。 自分を妙に過信して。 そうして、 往々にしてしっぺ返しをもらう。 今日、私の手のひらは軽いやけどでいっぱい。 左の手の 人差し指が痛い。 中指が痛い。薬指が痛い。 所々でちいちゃなくらげのような水ぶくれが出来た。 右の…