一部停電

一昨日の未明、東京は凄まじい雷雨に見舞われた。

 雷が落ちる度に震度3ほどの振動が寝台に伝わり、
 本棚の本がばさばさと落ちる。
 尋常でないほど大きな雨粒が吹き荒れる風にまかせて窓や壁にぶつかると、
 木造の家の筈なのにまるでトタン屋根の下にいるように心細くなる。
 遮光カーテンを透かして白い光が部屋に満ち、
 あまりの光に目が見えなくなるのじゃないかと恐れが過ぎって
 気づかぬ間にギュッと握りこぶしを握っていた。
 
 雷は轟音と衝撃を地に落とし
 ビリビリと震える家の中で私はギリシャ神話の神ゼウスが落としていたのも雷だったなと
 ベットで丸まりながら考えていた。
 いくらか遠くの雷は好きでも、
 耳が痺れそうな轟音を伴う近くの雷は非常に怖い。
 ギリシャの雷は聞いたことが無いけれど、これに類する凄まじいものに違いない。
 いやいや
 乾燥した空気の下では一層稲妻も太く立派な怖ろしいものであるかもしれない。
 
 人生で初と言うほど、凄まじい雷雨で、
 東京電力さんのチェックによると
 我が家の電気回路は半分がショート。
 明日まで電気屋さんの予定が空かず、回復の目処は立たない。
 
 そのため現在、
 台所のガスとお湯、一部の部屋の電気とコンセントが使えない。
 ガス台もセンサーが付いているとかで電気が無くては動かないなんてまるで知識が無かった。
 ガスならば大丈夫だと思っていたのに・・・
 地震か何かが起こって長期間停電となった時、一体どう暮らしていけばいいのか・・?

 小さなカセットコンロで作られたご飯をつまみながら
 困るねえと家族で小さな団欒を楽しみつつ、回復を待っている。

 使われていないと思うような所まで、電気製品は使われていて・・・
 電気におんぶ抱っこしている「今」への不安と、
 享受しているありがたさを改めて感じたりしている。
 
 昨年、カリフォルニアから電力不足で停電というニュースが始終流れた。
 アメリカでは日本よりも自家発電が普及されているとはいっても、
 皆様随分大変な思いをされていたことだろうと
 自分の身に近いことが起きて改めて思い返す。
 
 電気がなければ生活していけないような現代日本だけれど
 何かに頼りすぎと言うのはやっぱり大きな危険を孕んでいるものだ。
 我が家の電気が全て切れてしまっていたらとは・・・考えるだに怖ろしい