2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

最近の子供・最近の人

いつも通らぬ道で 桐の花が咲いていた。 紫の花房が枝先に幾つも幾つも直立して まるで山伏が持っている錫杖のように見える。 桐の木は丈が高く、花を見上げるのに細い路地の壁の端まで寄ってぐっと体を反らす。 昔、女の子が生まれると桐の木を植えたのだと…

呑まれないでお酒を飲もう!

チンと触れそうで触れないでグラスが重なる。 スパークリングワインのうっすらと黄色がかった影がテーブルに落ちる。 キールロワイヤルの赤が交差する。 ふふふと小さく笑みを浮かべてこくりと飲んだ。 色がそれぞれ重なるごとに、 色がそれぞれ無くなるごと…

挨拶言葉の行き先

最近行きつけの本屋は、 細い入り口の天井に 何枚もガラスが重ねられたような屋根が付いている。 夜になると、白い電球がいくつもそれを照らして 小さな月がガラス越しの空に幾つも浮かんでいるような気がする。 ばさばさと葉が擦れ合う音がして上を仰ぐと …

甘いものは好きですか?

最近、母が蜂蜜に凝っている。 フランス産、ニュージーランド産、イタリア産・・・ 霊芝、栗、オレンジ、ジャスミン・・・・ 小さな瓶から大きな瓶まで ちょこちょこと買い込んできては空にしていく。 洗われてピカピカになった空瓶が、 大小様々に乾かされ…

姉歯建築士は・・・

朝晩の冷え込みで、桜の寿命が長い。 もうあと数日で・・・と思っていたのに今は4月7日。 色はさすがに華やぎが欠けてきてはいるものの、 まだ沢山の花が頭上に広がっている。 例年よりも白い花弁は僅かな風が吹いただけでも はらはらはらはらと・・・。 …

あの青色はいただけない

例年より、やはり白い桜が満開の花雲の中から ひとひら、ふたひらの花びらが降りてくる。 ふわふわと逃げるのを捕まえると、するすると柔らかな手触りが気持ちいい。 昼間は、近くの公園も花見客で一杯でまともに歩くことも出来ず 動く歩道のようになった道…