靴のサポート

 毎日が、とても寒い。
 ただでさえ寒がりなのに、
 風邪で体力が消耗したせいか体の中心が薄ら寒いような気がする。
 
 スカートをはくのは寒いので毎日がズボン。
 それなのにやっぱり寒くて嫌になる。
 スキーウェアじゃないように見える(と、思っている)ズボンで対抗したくとも・・・
 さすがに街着にするには熱過ぎる。
 
 同じ女性としてヒラヒラとしたスカートをはためかせている方々を見るにつけ、
 同じ人間なのに違う素材で出来ているのではないかと思う。
 
 今年も流行なのかこの寒さなのに真夏のように肩も足もしっかり出した上、
 ろくな上着も着ていない人を見ると目が回る。
 
 私ならば確実に翌日肺炎にでもかかるに違いない。
 全身にカプサイシン配合のクリームでも塗っているんだろうか・・・。
 と、着膨れしている私にとっては羨ましい。
 
 タイツを履いている女性陣はわかるとしても、
 女性より脂肪の少ないはずの男性はズボンだけで寒くは無いのか。
 男性だけの対策法があるのかどうか、なんだか少し気にかかる。



 12月の街を行く人の速度は、段々にスピードアップがされてきていて、
 耳をそばだてるとカッカと刻まれる靴音がいつもよりも忙しげだ。
 寒い日の靴音はよく響く。



 靴といえば、随分前に友人にこんなことを聞いた。
 「男の子も、外反母趾になるの?」と。



 女性の履く靴は指先がキュッとすぼまっていたり、
 ヒールの高さがあったり、デザインによって足が靴に固定されていなかったりと、
 どう考えても負担がかからないほうがおかしいようなものが一般的。
 
 対して男性の靴は先が細いと言っても女性のものに比べれば、
 おおよその物は大したすぼまり方ではないし、
 踵の高い靴があったとしても無理をしてそれを履かねばいけないほど一般的なものでもない。
 
 それでも、やはり外反母趾にはなるそうだ。



 けれど、どう対処してるのかしらと聞くと、怪しげな言葉を口の中で呟くだけ。
 対して対処はしてないらしい。
 
 ファッションと健康は並び立たない?
 いえいえ、きっともう少し融通をきかせられるところはあるのでは?
 
 女性用の靴売り場には随分沢山の外反母趾や足のケア製品が置いてある。
 つるつるのっぺりとした透明なフィルムや、
 まさにバンドエイドのふっくら部分のような滑り止め、
 男性が知ることも無いサンダルのストラップの滑り止め。
 土踏まず用のクッション・・・・などなど。
 
 男性と共有しているものなど、サイズ調節の簡単なものばかり。
 それについては文句らしきものは聞いたことが無い。
 けれど、バラエティが多い女性専用の物を使っている女性から満足の声を聞いたことはあまり無い。



 あのシートは歩いているうちにめくれてしまう。
 これは履いていると蒸してしまう。
 これはつけても意味が無い・・・等等。
 女性の靴が非常に変化に富んだ形をしているから、
 そこまでしっくりこないものが多いのかもしれないけれど。。。
 結局最初から長く履けるよく合っている靴を捜すのが最善。
 (勿論、お洒落を考えれば最善が実行に移されるかは別として。)



 かならず何処かしら不具合が出るのだという。
 何十種類ものケア製品があるというのに、なんでそこまで満足いく物がないんだろうか。
 何かどこかで製品開発のコンセプトが間違われているような気がしてならない。
 
 日本には下駄や草履のように鼻緒を私用した履物の文化がある。
 自国の文化ながら、靴を履いたことのある人に対して
 そうした履物を履いたことのある人というのはもっと割合が少ないわけだから
 靴ももう自国の文化といってもいい程度にはなっているのではないかと思う。
 
 既製靴というのが出来たのはいつ位だかわからないものの、
 そろそろもう少しそれぞれの足に融通が利くような何かが出来てよいように思う。
 
 「既製」だから、どなたにも平均的に合い、
 ぴったりとはいかないものなのかもしれないけれどそんな風に我儘を思う。
 
 女性の靴の場合は様々な形があるから合いづらいのはわかるけれど、
 バラエティの少ない男性でさえ外反母趾になったりするというのはどうも納得いかない。
 確かに人それぞれ別の足型とは言っても、10年、20年の浅い歴史ではないのだ。
 靴はもっとそれぞれにも優しくなっていい時代だ。
 
 それでも駄目ならば、そもそも何かが間違っているとしか思えない。
 1つには靴自体が駄目ということ。
 
 5本の指を持つ人間の足指を固いところにギュッと押し込んで全体重でもってプレスする。
 これが不自然でない筈も無い。
 足袋は履いているものの融通は利く草履や下駄の方がずっと体には良い。



 但し、人間は今更靴から離れられない。
 
 と、したら次は不自然な状態をどう気持ち好く履きこなすか、となる。
 靴を誤れば体全体のバランスもおかしくなるわけだから重要問題。
 
 今後はどんな靴のサポート製品が出来てくるのか。
 考えたところでどうなるというわけでもないけれど、益体も無くそんなことばかり考えてみる。
 とりあえず2つ。特に新奇なものではないけれど。。。。
 痛いところに差し入れる平面のものがおおいので・・・
 
 1、詰め込み型
  非固定詰め込み型・・・・女性のストッキングのようなものを適度な量詰め込む。
              (綿のように足にまとわりつくことのない素材で、
              足を引き抜いても足について外に出てこないようなもので、
              足を入れた際にその時、個々人の足の形に添う様なもの)



 2、固定準備型・・・・・・靴購入時や靴購入後、靴に合わせた形の靴下のようなものを作る。
              例えば土踏まずのところにクッションが付いていたりするような感じ。
              または、自分の足型のようなものを購入後靴の内部全面に貼り付ける。
              但しこの場合、ズボンならばともかく外から見えると非常に格好悪い上、              素材によっては酷く蒸し、はがれる危険性もある。  
              しかし、靴下のような形にすれば洗濯も可能。
              うまくすれば新しい隙間ビジネスの可能性が出てくるのではないか?
 
 なんて寒風の中、靴音に喚起されふと考えてみる。
 これから、より靴を快適なものにするために色んなサポート用品が出てくるとは思うけれど・・・
 次は一体どんなものが出来るやら。
 平均以上に小足の私は使い勝手のいい新製品が出来るのを人一倍楽しみにしている。