金の砂まく

金砂を振りまく夢を見た。 掌に乗せてるだけで、ふわふわと風に遊ばれるような 細かな金が、手の間から流れだすように。 手の中の重みに合わせて180度腕を横に滑らすと、手はすっかり軽くなり、 空気のように金が舞う。 ふわふわと漂う金が、静かな朝の薄…

お酒の中でアメリカ話

昨日、友人と中国茶を飲んで家に帰ると、 両親の友人が1人いらしてて、テーブルにはワインの赤白から日本酒、 ポート、アクアヴィッツと乱立する酒瓶の間を料理が埋める世界が広がっていた。 来られることは存じませんが・・・軽く挨拶、軽く乾杯。 白飲み、…

参院選つれづれ

「台風だから・・・」と、遊ぶ予定の友人に振られた3連休。 雨の降る中、銀座へ行った。 知り合いのダンディなおじさまが和光で絵の展示をしているというので、 ひょこひょこ行って、目の保養。 和光に勤める友人に挨拶し、雨の止んだ表通りへ出た途端。 凄…

旅行でちょっとありました

「1人で海外に行くと何かが起こる」 起こるトラブルの深刻度は距離に比例するかもしれない。 6月、友人が韓国で式を挙げるというので成田へ向かった。 1泊2日の強行軍。 国同士の取り決めがあるようで、一泊二日の運賃は二泊三日の倍以上。 「一泊の滞在で…

金の砂まく

金砂を振りまく夢を見た。 掌に乗せてるだけで、ふわふわと風に遊ばれるような 細かな金が、手の間から流れだすように。 手の中の重みに合わせて180度腕を横に滑らすと、手はすっかり軽くなり、 空気のように金が舞う。 ふわふわと漂う金が、静かな朝の薄…

丸の内ストリート陸上

空を飛べたらどんな気分になるだろう。 しばらく前、為末大選手(ハードル)主催の丸の内ストリート陸上を見に行った。 行きたいと思ったメインの理由は4つ。 以前、テレビで為末選手のレースを見て、綺麗だと思ったこと。 ミリオネアで掴んだ1000万円…

麦藁のおじさんと少年

突き刺すような日差しを抜けて電車へ入ると、 麦藁帽子をかぶったおじさんがいた。 ちょうどおじさんの目の前の席が空いていて、 すぽりとはまり込むように私は座った。 おじさんの麦藁帽子はつばが広くて、 緑色の紐がつばの上を一巻きぐるりと巻いて、 首…

ナメクジ日本、モンゴル北京

少し前こと。 正月の家族旅行で祖母が一目惚れした地球儀が届いた。 直径が50cm程の大きさで、表面には猫目石や紅水晶などの石が 国境線で区切られるかたちで張られている。 石の厚みはとても薄いらしく、ひんやりとした手触りから思う重さよりも随分軽…

トンボの錯覚

いつもより早い時間に目が覚めた。 気がつくと、カーテンから漏れる朝の陽射しが強くなっていた。 カーテンの脇や裾がギラギラとするほど、日中の暑さが予想されて カーテンを開くのに躊躇する。 思い切って開けてしまえば、そんな気持ちも吹き飛んでしまう…

そっと見掛ける

最近よく通る道。 ちょっと前まで ジャスミンの白い花の群れがどこかの家のベランダから垂れ下がり 甘い香りをさせていた。 少し前の晩。 中東のどこか出身のような男性が、真っ白な花の群れの前で目を閉じて深々と息を吸い、 沢山の花の中からこっそり一枝…

初夏

強くなった日差しを木々の葉が弾くと、鈍い金属のような不思議な光り方をする。 椿科の艶々とした葉っぱなどを見ていると、 植物にとって油の乗り切った季節というのは今なのではないかと思う。 風が、若葉の間をすり抜けて行くと、パラパラ、ざわざわと、音…

少年法改正について②欠如した視点

子供は幾つになったら責任能力を持てるのだろう。 人を形作っていくのは一体なんだろうか。 環境だろうか、資質だろうか。 全てで、そして、それ以上だろうか。 私が現在目を通しているメディアは、少年法改正案について、 年齢を下げれば良いわけではないと…

少年法改正について

最近、どの新聞を見ても、少年法改正案について取り上げていることが多い。 2000年に16から引き下げられた 現在の刑罰対象年齢開始の14歳を、それ未満に引き下げるという話だ。 少し前には与党案の「おおむね12歳以上」という表現に 「おおむね」…

幹事の結婚

5月1日。今日はまた雨。 秋や冬と違い、 この季節は土の匂いに混じって 青々とした草の香りや、藤や茉莉花の甘い匂いがする。 きっと、1年でもっとも甘い雨の匂いだ。 雨はさらさらと細かに降っている。 風が吹くたび、雨も揺れる。 その定まらなさが、愛…

歯の保存

ここ数日急に、息の白くなるような日が続いた。 桜も終わった季節にこんな寒いなんてと震えながら、 しまいこんだセーターを引き出し、ホッカイロを買って握っていた。 それが、今日はスパッと晴れて陽射しが梢の上で踊っている。 温かな風が部屋に滑り込み…

藤の日付

もう、桜が散ってしばらく。 花弁の間に青々とした葉が覗いていたのも、 雨に打たれた花弁が桜の脇の壁を薄紅色に染め替えていたことも、 道路の水溜りから排水溝へと流れていく水面の花弁がくるくると回っていたことも、 庭に面した窓を開けると真っ白な星…

花捜し

青空の下、花弁が一枚、二枚、そして、沢山。 風が吹き、薄紅色の花弁に覆われた枝が揺れる。 小さなはなびらは視界を染めるように舞い落ち、舞い上がり、 つむじ風の中に紛れ込んでは、道々を桜の回廊へと変えてゆく。 電車から外を見れば眼下に川沿いの桜…

卒業の頃

昨日、初雪が降ったという。 実際、風は突き刺すように冷たくて、 扉から外に出たのにコートを替えにあわてて家に戻った。 先日、早稲田の方へ行く用事があった。 我が家の辺りの桜は冬芽の周辺がほんのりと淡い桃色に染まって見える。 まだまだ、桜の枝に色…

春と香りと

風が、甘い。 まだ薄手のマフラーが必要なほどの寒さの中、強い風が吹いている。 服の隙間から寒さが入り込んで来ないように上着のチャックを上げた。 感じる空気や風は明らかにまだ寒いのに、 口に含んだ空気さえ甘いと味で感じられるほど。 少し前まで風に…

木枯らしの日

少し大きめの風が、窓を、家を、幾度も揺さぶる。 突風に、心の奥底からワクワクとした気分が湧いてくる。 窓を開けると、冷えた風が一息に部屋の中へ吹き込んできてカーテンがバタバタと音を立てた。 空が唸っている。 自分では手の届かないエネルギーが、…

東京国立博物館にて2007.2

少しばかり冬の小春日和を思わせる気候にホッと一息。 冷たい空気のなかで、穏やかな黄金色の陽だまりを見つけると 何か大切なものが戻ってきたようでとても嬉しい。 寒い空気の中でなら、狂い咲きの桜も梅もツツジも その見かけだけを楽しむことが出来る。 …

怖さを体感できるから。

青い空に所々白い筋が流れ、 穏やかな陽光にぬくめられた北風が 時折本性を剥き出しにするような冷たさを運んでくる。 近所の公園では早くも綻んでいる桜があるらしい。 幸い私は見ていないけれど・・・・怖い怖い。 本来と違うときに違うものがあることに、…

風が吹けば桶屋が儲かる。暑くなったら・・・

お昼間は連日20度を超え。 暖冬暖冬というけれど、既に初春と立春を迎えたこの季節。 いうなれば暑春だのなんだのではないか。 冬にしたって暖なんてとうに過ぎ去り熱冬ではないかと思う。 20度超えのこの気温は4月半ば過ぎの気候だとアナウンサー。 さもあ…

淋しがり家

今日、イタリアの彼女は家を出て行った。 彼女のいなくなった家はいつもと変わらず温かいのに、 何かがぽかっと抜けてしまったようで少し寒いような気がする。 母がぽつりと「家族をお嫁に出したみたい」と呟いた。 私の妹が嫁した時も、家の中はお通夜みた…

イタリアの女の子

ベランダの梅は紅い花びらを押し広げ、庭先には蕗の薹が顔を出す。 陽射しはとろとろと春の風情で、気の早い辛夷が一つ、二つ、咲いている。 どれらも随分と気が早い。 梅の花にはあまり変化を感じないものの、 今年の辛夷の蕾は例年よりも一回り以上小さく…

日本テレワークの人達

不二家の工場にネズミが50匹以上だの、 あるある大辞典がデーターを捏造だのとマスコミは大きくそれを取り上げている。 聞けば聞くほど、 周辺に安倍首相支持の人が少ないせいか、あの支持率もどうなのかしらと気に掛かる。 あるある大事典のファンではない…

初春の食い意地

昼間、雪が降っていると聞いて外へ出たものの、 そこには凍えるような空気と濡れた道しか見当たらない。 只中にいるものとしては寒さを感じるものの、例年に比べれば随分と暖かいこの寒さ。 雪との邂逅を逃すのは随分と悔しい。 ベランダの梅のふっくらとし…

ブーケの香り

昨日、大好きな友人から花が届いた。 白とピンクを基調にした、とても良い香りのブーケに、顔をうずめるとなんだか涙腺が刺激された。 私の大好きな彼女が大好きな人と結婚した。 お互いのご両親のみという式を挙げた彼女は私に彼との写真を送ってくれた。 …

ブーケの香り

昨日、大好きな友人から花が届いた。 白とピンクを基調にした、とても良い香りのブーケに、顔をうずめるとなんだか涙腺が刺激された。 私の大好きな彼女が大好きな人と結婚した。 お互いのご両親のみという式を挙げた彼女は私に彼との写真を送ってくれた。 …

飛行機に乗り遅れたら・・・

帰国時、私たちはラスベガスの空港で意外なことに気づいた。 家族の中で、私だけ帰国の便が違う。 何故? どうも昨年末にパスポートの問題で出発をずらした際に、 私の飛行機が家族達の飛行機に1時間〜2時間遅れたらしい。 ラスベガスからサンフランシスコ。…