参院選つれづれ

「台風だから・・・」と、遊ぶ予定の友人に振られた3連休。
 雨の降る中、銀座へ行った。
 知り合いのダンディなおじさまが和光で絵の展示をしているというので、
 ひょこひょこ行って、目の保養。



 和光に勤める友人に挨拶し、雨の止んだ表通りへ出た途端。
 凄まじいものをみた。
 
 石油を運ぶよう丸いタンクのついたトラックが、
 アメリカの丸いガムのような凄まじいピンクに塗られ、
 球形の電飾がタンクの周りを囲むようにビカビカ光る。
 車とおそろいのショッキングピンクと白の制服をしたキャンギャルが、
 「宜しくお願いします」といいつつ、動物型した消しゴムを配る。
 
 環境にまったく配慮せず、色彩感覚を疑うようなキャンペーン。
 彼女たちが配る消しゴムには参院選の日付入り。
 
 消しゴムで選挙に人が来るか。
 最近は鉛筆よりペンを使う人が多いことを知っているのか。
 クールビズだ、京都議定書だという世の中なのに、わざわざ車にペイントをして?
 何処の漫画喫茶の広告かと見まごうようなキャンペーン。
 
 こんな死に金使うぐらいなら、
 投票がしづらいところに住む方のため、投票場を増やすなりなんなりするべきだ。
 こんなことにお金を使おうと考えたのが政治家ならば、ぜひとも落として差し上げたい。
 官僚ならば、国民をきちんと見るよう伝えたい。



 さて、投票日も迫った参院選



 色々思うことがある。
 
 最近の政治・政治報道を見ていると、妙に目先のことばかりを追っているように思われる。
 政治家が騎手、国民が馬とするならば、
 騎手は人参をぶら下げて馬を操ることに夢中でゴールが見えず、
 馬は目先が気になり道を見ずとそんな感じに。



 どこかの政治家は、「焦点がハッキリしなくてはいけない」と言って年金問題に集約するとか
 言っている。
 勿論、それは一つの選挙対策として正しいことなのだろうけれども、
 正直おかしなことだとおもうし、他のことについて語らないのは怖ろしいことのように思える。
 
 6年という長期に渡って政治に関わり、これからの日本の根本を作っていく人間が、
 選挙で受けるからと精々1.2年の目先のことしか語らないとする。
 曖昧でも語らなければ有権者には伝わらない。
 その先のことは一任。
 極論だけど、2年経って「戦争します」と言われたところで入れた人は入れた責任ありますし・・・。



 以前の、郵政法案の採択をメインにした選挙で、
 目先にこだわることで先のことに政治家が責任をとらないで済むようになること。
 目先にばかりこだわることで、自分たちに関わる先の政治に対する権利を放棄してしまうことに
 なってしまうこと。



 責任を取りたい人、取りたくない人、それぞれのメリットデメリットは
 もう分かったはずだ。ぜひメディアの方々には幅広い視点で政治家の思想を攻めていってもらいたい。
 
 今日、ある大学生と参院選について話していた。
 彼は法学部で法律の勉強をしているのだという。
 その彼が「え?憲法かえるのって9条だけじゃないんですか?」と言う。
 驚いた。



 日本という国の憲法を象徴するものだからこそクローズアップされている9条を変えようという動き。
 他の憲法も動かそうとしていることを、法律に壁のないはずの人でさえしらない。
 9条ばかりを取り上げていることもあるだろうけれど、
 これはマスコミの報道としての怠慢があるのではないかと私は思う。



 私自身はそもそも変わることが前提になっていること。に対しておかしいと思うし、
 規則として守らなくてはならない法の基となる憲法は、その下にいる人間のため、
 矛盾を含んだ理想を掲げていても良いのではないかと、そんな風に思う。
 もちろん、違う考えをもつひともいるだろうけれど。



 「今」という時はとても大切な時だ。
 憲法しかり、年金しかり、教育しかり。



 今年、団塊の世代と呼ばれる人々が定年になる。
 彼らはきっと選挙についてああでもない、こうでもないと考えてくれるだろう。
 高度成長の頃。上の世代の戦争談。そして不況。
 大抵の全てが何となく分かるんし、それぞれについて考えていることだろうと思う。
 ぜひ、考えていらっしゃることを票として出していただきたい。



 安部さんが首相になった頃。「美しい国」という表現を使った。
 私は「美しい」とか「正しい」とか、こと政治に関わるとそれが好きな言葉で無くなる。
 各々の感覚においての主観的な感覚を他人に押し付け、強要し、
 他者を否定する言葉になりがちだから。
 気持ちがいい言葉が、気分の悪い言葉になってしまうことが多いから。



 ぜひとも阿部さんが考える美しい国でなく、それぞれの美しい国に何が必要か。
 10年後、20年後、自分の傍にいる日本人にどんな人間であって欲しいか。
 そんなことを考えながら票を投じて欲しいと私は思う。



 年金に入れたっていい。憲法についてで入れたっていい。
 自分は老人介護のほうを重点的にと思うのでもいい。
 ただ、票を投じたその瞬間から、自分が次の日本人も作っているのだとも思って欲しい。
 
 今の子供たちがあと20年して脇に立つ時、自分は多分まだ生きている。
 どんな教育をどんな風に与えられ、選択してきた人と会いたいだろう。
 どんな環境で、どんな風に思われる国にいたいだろう。
 どんな空を見て、どんな生活をして・・・。
 国には予算がある。
 予算には限りがある。
 払わなければいけないものもある。
 これから先どんな人と会えるか。
 
 案外他人事ではなく、全ては自分の指先にあるかもしれない。



 因みに、1度聞いてみたかったのですが
 日本も2大政党制にってよく言われてますが、それって魅力的だと思われますか?