少年法改正について

 最近、どの新聞を見ても、少年法改正案について取り上げていることが多い。
 
 2000年に16から引き下げられた
 現在の刑罰対象年齢開始の14歳を、それ未満に引き下げるという話だ。
 少し前には与党案の「おおむね12歳以上」という表現に
 「おおむね」とはどこからどこまでかという議論も行われた。
 これはどうやら11歳ということで決着がついたよう。

 確かに最近の少年犯罪はどんどん凶悪化しているイメージはある。
 イメージが膨らむほど、犯罪を犯しそうな子供が増えているのではないかとも思える。 

 けれど、
 本日の朝日新聞によれば、80年代のピーク以降、補導件数は減り、
 2000年代の現在、補導件数は年2万件とほぼ横ばいで、
 対象年齢は社会的に注目された事件の年齢に合わせるように引き下げられていると書かれている。
 (子供の人口比に対しての補導率もほぼ横ばい)

 数字としてはそうなのだろう。

 朝日の解説では桐蔭横浜大学の教授が、
 
 「少年犯罪は凶悪化というより稚拙化しており、
 年齢性別による「らしさ」がなくなっている。」とし、
 「年齢の引き下げや線引きが問題の解決に役立つとは思えない。
  法案内容を譲歩してまでスピード可決したのには
 『少年犯罪が本当に凶悪化しているのか』という根本的な問題を争点化する間を与えない思惑
 があるようにも思える」

 と、纏めていた。
 細かな傾向はわからないものの、
 TVや新聞などの情報を考えるに、稚拙化傾向はありそうだと思う。
 
 それにしても
 80年代に補導されていた人達はどんな人達だったのか。
 それは数字では出てこない。
 
 2000年代の現在、最近は少し減ったように思うけれど、
 学生服で煙草を吸っている学生もまだまだ多い。
 彼らは補導対象だろうか?
 多すぎて補導しきれないのではないだろうか。

 80年代の学生のイメージというのは私には浮かばないのだけど、
 煙草を吸っていたら補導されていたのだろうか?

 数値は指標にはなるけれど、20年という時間を間に置けば、
 対象となるものの基準も変わっているはずだ。
 少なくとも私が小学生の時には、
 塾の帰りに閉店間際の本屋に駆け込むと胡乱な目で見られたけれど、
 最近では夜中に小学生が店にいたところで誰も不信に思うことはない。
 
 世相による基準を考え合わせて考えると、
 データーの数値をただそのまま受け取るべきではないのだろうとも思える。

 そして、対象年齢だけを引き下げれば良いのか。
 これもやはり疑問が残る。
 ただ、対策はしなくてはならない。
 これも確かだ。

 最近私は低年齢化する犯罪については、
 対象年齢を引き下げるのならば
 少年法を年齢で質の違う二層に分けて考えた方がいいのではないかとも思っている。

 なぜなら、少年法はあくまで少年個人の罪を問うものだからだ。
 長くなってきたので、後は②にて