この話を知りませんか?(たぶんSF)

今日、公園の緑の屋根の下を帰るとき。
 天から蝉達の声が次から次へ降ってきた。
 次から次から次から・・・・
 
 ふと、雨に打たれていると思った。
 セミ達の声を浴びて歩いていくのは
 なぜだか、雨を浴びて歩くのに似て、しっとりとする。
 蝉時雨ってこういうことなんだなぁって実感しながら
 長くなっていく影を踏みながら歩く。

 急に、ずっと捜している本が頭に浮かんだ。
 出していそうな本の編集部にあちこち電話を掛けたけどいまだに見つかっていない本。
 軽く7〜8年は捜している。
 題名も覚えていない、どこかのSF本の中の短編。

 舞台は多分アメリカで、長い長いハイウェイの上。
 ある時、渋滞が起こる。
 場所は畑の真ん中で、うんともすんとも動かなくなる。
 ラジオをつけても、この渋滞がなんで起こったのか、どうなっているのかサッパリわからない。
 1日、2日・・・と経つうちに
 近くの農家に行って卵やミルクを分けてもらい、販売するものが出だした。

 1ヶ月、2ヶ月と経つうちに
 近くの車同士でコミュニティーが生まれた。
 主人公もある女性と仲良くなり、やっぱり渋滞に巻き込まれた牧師に式を挙げてもらった。
 
 渋滞が始まって1年近くたったある日、
 誰かが「車が動くぞ!」と叫んだ。
 みんなあわてて車に飛び込んだ。

 知っている人も知らない人も前を向いて運転している。
 ひゅんひゅんと追い越していく車もいる。
 彼女の車はどこだ?
 と、主人公は捜す。
 車の群れの中、彼女の車がどこへ行ったのか彼には見つけられない。
 そして、
 彼は・・・妻になった人の連絡先を知らないことに気づいて愕然とする。

 という短編小説。
 高校時代に読んだものですが、
 なんと言う本の中にあったものか忘れてしまって・・・。
 当時は異常なぐらい本を読んでいて、誰の本かさっぱり見当もつかないのです。
 卒業後、高校に何度も足を運んだのですが
 私の卒業後にSF棚の本を廃棄してしまったとかで(質のいいものが揃ってたのでひどく残念ですが)
 まったく手がかりがありません。
 
 どうかわかる方がいたら、教えてください。
 よろしくお願いいたします。