忘れられない親子丼

東京生まれの東京育ち。
 食いしん坊の家族の中で育って、当然私も立派な食いしん坊。
 小さい頃から美味しいものも、変わったものも食べてきたとは思うけど、
 好物は?と聞かれたときの答えはやっぱり日本人。
 今も全く変わらない。

 うなぎに、お寿司に親子丼。
 
 人に聞かれて答えると、
 うなぎに寿司・・・というところまで「おやおや贅沢者め」という目線なのに
 親子丼となると、みんな「え?」と、不思議そうな顔をする。
 うなぎと寿司と親子丼が並列じゃあ可笑しいかしら?
 
 うなぎとお寿司は基本的に外で食べるものだけど、
 どちらかと言えば親子丼は家で楽しむ。
 その違いがなんだかアンバランスに思わせるのかな。

 親子丼はどれが最高!と言うものはない。
 家によってバリエーションは限りない。
 玉ねぎは入らないほうがいいという人もいれば、
 筍を入れる人もいる。
 山椒を掛けないとという人、海苔をかけなくちゃという人、様々だ。 
 親子丼ルールは難しい。

 人によってこだわる所は様々だ。
 それに、家庭だとプロじゃないから「あの時食べたあれが絶妙だった」
 という時もあれば、「あれはちょっと濃すぎたね」という時もある。
 そればっかりは仕方ない。

 私には昔作って、忘れられない親子丼というのが一つある。
 正確に言えば親子丼ではなくて他人丼になるのかなぁ?
 どなたかがしてくださったトラックバックによれば、
 他人丼とは牛肉か豚肉でなければいけないらしいけど、便宜上そう呼ばせてくださいね。
 
 難しい作り方じゃない。
 作り方の基本は至って普通の親子丼。
 ただ面倒で、私は昔作ったきりほとんど作ったことが無いというだけ。
 
 その親子丼とは・・・
 鶉卵で作るのだ。
 鶏の卵一個の重みが大体鶉卵の10個分。

 鶉卵を殻を入れずに割らなくてはならない。
 これがとっても面倒だ。
 割っても割っても殻を中に入ってしまう。
 殻を除く作業が大変で、
 お蕎麦屋さんはなんであんなに綺麗に割れるのかって不思議。
 (ざるを頼むとたまに蓋の開いた鶉さんが蕎麦ちょこの横にかわいらしく鎮座している。)

 卵の美味しさは、栄養の詰まった黄身の多さで決まるらしい。
 そう考えると
 鶉の黄身の割合は、鶏と比べてもかなり多いと私は思う。
 (美味しいといわれている烏骨鶏の卵は普通の鶏卵に比べて1、2倍の黄身の割合配分)
 
 こつこつ割って
 出来上がった親子丼は、鶏卵よりも山吹色でふっくらふんわり。
 口に運ぶとじんわり幸せが広がった。

 親子丼の有名店で感動するような味を味わったこともあるけれど、
 なかなかこれはいいお味。
 不器用な私としては殻割が嫌で中々味わえない味だけど
 一度試してみてほしい。

 苦労が必ず報われるような味だから。
 このブログ読んでくれてる誰かの中に、親子丼好きの人はいるかしら?
 もし、その気になってやってみることがあったなら、是非感想教えてくださいな。
 楽しい味の記憶を共有しましょ♪