お正月まであと少し

 冬になると、人に会うことが多い。
 クリスマスや正月、忘年会・・・やっぱり寒いから人恋しくなるんだろうか。
 それとも、この1年に会った人を復習しないと、
 なんとなく繋がりが希薄になるような気がするのかな?
 
 江戸時代、町人達は(借金でその日暮らしの人が多かったから)大晦日の日に逃げ回ったそう。
 大晦日は1年の総決算日。
 この日までに借金を返さないと、その年の分は棒引き。
 108つの鐘は、煩悩だけじゃなく借金も流してしまうわけ。
 なんて素晴らしい・・・・
 
 お金を貸した方にとってはたまったものじゃないお約束。
 借りた方も正月位は小金を持っていたいもの。
 それを取られては楽しいお正月が過ごせない。
 江戸中で真剣なかくれんぼ大会が繰り広げられていたことは、想像に難くない。
 
 クリスマスを通り越してお正月の話題と言うのも何なのだけど、
 最近の正月は風情が少なくて少し淋しい。

 コンビニがあるのは・・・もう仕方ないのかもしれないけれど、
 殆どのお店が正月でも閉まらなくなってきている。
 どころか、ビジネスチャンスとばかりに店を開けるところも増えてきた。
 残念だなぁ。

 お正月にお店が開かない。
 それは確かに不便なのだけれど、
 前日から世の中が殆ど動かなくなるから
 大晦日の夜は暗くて深く、元旦の空はいつもよりも全ての色が鮮やかになる。
 みんながゆったりと家にいるから、車の音もめったに聞こえず
 静かに時間が降り積もる。
 
 お店が開かないことは、お正月の風情作りに一役も二役も買っているはず。
 お店が開くのが早くなるほど、お正月がどんどん短くなっていく。
 お正月と言うくらいだから、ほんとは一カ月あってもいい筈なのに。 

 頬がピリピリとするような空気の中を通って初詣に行き、
 道に掲げられた日の丸の脇で、見知らぬ人と新年の挨拶をする。
 自分の打つ拍手が、じゃらじゃらと綱を掴んで鳴らす鈴の音が、正月の空気に響く。
 
 新しい服を下ろし、
 この日ばかりは日本人らしく、きちんと挨拶をしたりする。

 しっかりと出汁をとったお雑煮を食べ、御屠蘇を飲み、
 おせちをつつく。
 そうして、今年のきんとんはどうの、黒豆はどうのと言いながら
 互いの抱負を探り合ったり。
 
 近くの公園で凧揚げをしていないか?羽子板をしていないか?と、見学に行ったりする。
 
 羽子板は本当はお互いの顔に墨を入れるのが正式だと聞いた。
 少しやってみたかったけれど、
 墨を入れていくのは汚れるからと付き合ってくれる人はいなかった。
 
 考えてみれば1年で1番の晴れ着を着て、
 墨をつける危険を冒すなんて・・・昔の日本人てなんて贅沢なんだろう。
 服に付いた墨は落ちない。
 今の私にそんな度胸はない。
 やっぱり小さいうちにやっておけばよかったな^^
 
 そうして1日過ごすと、
 玄関でドサッと音がしてポストに入りきらないほどの年賀状の束が来る。
 これは誰の、これは私の・・・と区分けしながら
 「え〜結婚?」とか「引越し」とか「就職」とか「定年」とか
 沢山の人と葉書で再会する。
 人によっては年賀状だけのお付き合いも多いけど、
 年賀状を見てお付き合いが再開する人もいる。

 なんやかやと言いながら、ぎりぎりに書き出すことも多いのだけど、
 あぁ・・・今年も早く書かなくっちゃ・・・・。

 みかんを剥いて、出し忘れてた葉書を書いて
 お餅を焼いて・・・
 
 ポチ袋にお年玉・・・は、まだ相手が上げる年齢になってないからいいとして
 カレンダーを見て今年も、もう1ヶ月を切っているんだと改めて驚いた。
 今年も終わりまであと少し。
 全部ひっくるめて振り返ったら、一体どんな年になるんだろう?
 そうして来年はどんな年になるんだろう?
 
 毎年思うことだけど、こればっかりは毎年どうにもやめられない。
 あと少し。今年の楽しい思い出が、見てくださってる方の上にも、私の上にも、
 まだまだ沢山ありますように☆

 ・・・・・いけない!年賀状の前にクリスマスカードを書かなくちゃ><