のんべ気取ってちびちびと

すこしくすんだ赤い葉の間からつややかな紅い実が覗いている。
 金木犀の香りも遠くなってきて、土がまた甘い香りを醸しだしてきた。
 赤いテーブルクロスの上、あかいりんごが3つ。
 冷蔵庫を空けたら赤ワインがあった。
 
 午前10時。
 ROMBAUERのZINFANDEL2002。
 日頃朝から飲むわけではないけれど・・・・
 のみたいときは、あるものだ。
 高いのか安いのかわからない。
 家にあるワインはそれが良い。



 グラスに注ぐとデザートワインをおもわせるような甘い香りが口元を緩ませる。
 普通の赤よりも少し茶色がかっていて「品種の違いで色は変わるのね」と、
 当たり前のことなど思う。
 飲んだ瞬間は軽くて、舌に触れるとぐっと重くなる。
 甘くてちょっとスパイシー。
 口中、喉の辺りまでの空間にふっくら甘い香りが立ち込めて、ピリッとしたのが
 残って抜けて、心地よい酔いが回って軽い溜息。
 
 昨日の晩酌かしら?
 開けたて、父にご相伴しておけばよかったかな、と、そこはかとなく思わせる味またコクリ。
 ちびちび飲んでいるものだかあら、1時間経ってもグラス空かない。
 のんべ気取りもたまに良し 
 
 本当はシャンパンも飲みたいところだったけど、
 1人で開けたら不味くなる。
 これもなかなか美味しいし・・・一人でほんわり酔いながら、また一口と。
 昼にお酒も乙なもの