来月を待つ

来月、また友人が結婚する。
 もう8年近くの付き合いの友人だ。
 色々と遊んだり、様々に笑ったり。
 10人ほどのグループの中で、彼女と彼が付き合いだした日も、私達は一緒にいた。
 スキー場で、お互いを見る視線の熱さに、冷やかしたり、苦笑したり。
 とろけそうな笑顔の二人を見ていると、この二人はもう仕方ないなと、皆で笑って祝福していた。
 
 付き合いだした頃、二人が結婚するなんて事を考えた人はいなかった。
 まだ10代だったのだから。
 この数年は、「いつ結婚するのか」というのが、
 二人がいない時のグループのメイン話題の一つだった。
 
 それが、結婚するとなったらスルスルっと話がすすんだ。
 私達が二人の結婚を聞いたのは3ヶ月ほど前のことだ。
 照れくさそうな彼の顔。
 嬉しそうな彼女の顔。
 
 二人があちこちで衣装合わせをしている画像の入った携帯を、
 みんなでぐるぐると回しながら、「これがいい」、「あれがいい」、「なんだこの顔」と、品評する。



 男同士というのは中々批評が厳しくて、
 「上下白はないだろう」「これは足が短く見える」「これは細く見えすぎる」と、喧々諤々。
 
 みんな、いつ来るかと待っていた二人の結婚式だ。
 それなりに結婚願望も刺激されてくる年齢とくれば、彼女のいる人もいない人も、
 彼のいる人も、いない人も、かなり真剣に画像に見入る。
 
 式場の選び方だとか、親御さんへの挨拶だとか。
 誰かが具体的に言えば「あれ?もしかして近く・・」なんて茶々を入れる人もいる。
 グループの中で結婚ラッシュが来る日も近いかもしれない。



 「とりあえず、乾杯!」「おめでとう!」
 独身時代からずっと知っている二人が来月結婚する。
 ここ数年は、結婚していないこと不思議なような2人だったから、
 その日が来るのが楽しみでならない。



 今日、数ヶ月前に結婚したという友人からメールが届いた。
 彼女は、来月結婚する彼女のお義姉さんになっていた。



 彼女の結婚相手が同じ苗字なのは知っていたけれど・・・・・・
 世の中は案外狭いよう。
 来月の結婚式は尚一層楽しみになってしまった。
 
 暑さが過ぎ、早く来月になりますように・・・。