ホットミルクの時間

 窓の側に寄ると、体の窓に面した部分がぞくりと震えた。
 外気をさえぎる硝子は1cm近くもあるのに。
 その分厚い硝子の向こうから
 そろり そろり と
 気づかないうち寒気が滲みてきている。

 大慌てでカーテンを閉めた。
 暖房効率を上げれば、早く暖かくなる。
 本当は極力ヒーターは使わないようにしたいのだけど
 なかなか・・・。

 息が色を染め替える時間が、
 始まりを20時から18時へとあっという間に早めていく。
 
 おかげで
 寒がりな私は、
 一日中温かいものを欲しがっているような気がする。
 
 牛乳を温めて、ブランデーを一滴ぽたっと落とした。
 マグカップの中に
 小さなミルククラウンもどきが出来て、琥珀の色は混ざって消えた。
 コクっと飲むと甘いミルクの香りに豊かな香りが混ざって
 ふぅ〜と幸せなため息がでる。
 
 そういえば
 牛乳って鍋で温めるか、電子レンジで温めるかで味が違う。
 電子レンジで温めると固い感じに。
 鍋で温めると砂糖を入れたみたいにほんのりと甘くなる。
 だから寝覚めに飲むには電子レンジ。
 午後に飲むには鍋。と、使い分けはしているけれど・・・・
 
 あれはどうしてなんだろう?
 
 電波の振動で温める電子レンジと、鍋の温め方が違うから?
 あそこまで味が違うのだから、栄養素も違うのかしら?
 確実に何かが牛乳に作用して違いを出しているのだとは思うけど・・・
 
 加熱している時間の長さのせいなのか、
 加熱することでミルクの中に入る空気の量が変わるせいなのかな?

 ほわほわと広がっていくミルクの湯気を楽しみながら
 もう一口。

 温かいなあ。
 寒いなあ。
 理由はよくわからないけれど、
 電子レンジとお鍋。
 温め方で味が変わるものって他になにがあるんだろう?
 やっぱり全部違っているのかな?