ここに生まれてみたかった!

 とんがり帽子に、カボチャのジャック。
 姫様、妖精、チャイナドールに、ゴジラの着ぐるみ、ドナルドダックにピカチュウに・・・
 
 日曜日、横浜へ行った。
 元町の改札を過ぎると、そこはもう童話の国だった。
 
 元町の商店街を埋め尽くす人達はみんな、
 大きい人も小さい人も犬も猫も思い思いの格好で・・・
 (普通のコスプレと勘違いしている人もいたのだけれど)
 ハロウィン一色。
 
 私の小さな頃の野望は、
 「Torick or treat!」
 ハローウィンを思う存分楽しむこと。
 残念ながら、叶わずとっくに子供を終えた。

 「〜時からおもちゃ配ります」の看板前に、
 ぞろぞろぞろぞろ仮装親子が並んでいる。
 歩道は一杯。車道も一杯。
 子供達で埋め尽くされた道を歩いていくと、
 次から次にお店の前に並ぶ列。
 
 「あっちのお店に行こうか」
 「ううん、こっちがいいよ」と、
 子供同士で悩むグループの脇を、
 お母さんにお菓子袋を持ってもらった子が通る。

 ゴジラピカチュウのぬいぐるみが手を繋ぎ、
 ビニールテープで作った衣装の子たちがお菓子の量を見比べている。
 小さな魔女が美容院のドアを開け、
 「ここにお菓子はありません」といわれてしょんぼりしている。
 レストランも、宝石屋さんも、家具屋も靴屋も魔法の世界の住人が占拠している。
 
 あの子可愛い、あの子も可愛い!
 こちらとしては右見て止まり、左見て止まり・・・
 中々前に進めない。

 表通りも裏通りも、小さなビルのオフィスまで。
 小さな無法者は止まらない。
 どこにもまずは入ってみている。
 そこはさすがに・・・
 と、思うところで戦利品を手に入れてくる。
 
 「こんにちは〜くださいな〜」
 「ありがとうございました〜」
 礼儀がいいのか悪いのか。 
 挨拶はしっかりしてるのだけど、
 ハローウィンのきめ台詞
 TORICK OR TREAT!を言ってくれない。
 聞きたくってしかたないのに
 みんなキメ言葉を知らないのかな?

 今回は、1500個も買ってきたのに・・・
 お菓子を配る店員さんが苦笑する。
 次から次へ
 子供達の快進撃は止まらない。

 ここに生まれてみたかった。
 私の過去の戦利品、
 ハローウィンを知らないおばちゃんからのキャンディー2つ。
 
 思わず
 子供達の大きく膨らんだお菓子袋を横目でちらり。
 あああ、とっても嬉しそう。

 昼頃着いて、ふと気がつけばもう19時。
 仮装の子達が風邪引かないように思いながら家に帰った。
 よくよく思えば、
 あんなに子供達が沢山いるのを見たのも初めてだった。
 
 もし来年、
 楽しいハローウィンを見たければ、
 是非、横浜の元町へ!
 最高に可愛い子供達が、
 沢山、沢山、沢山です!