電車が寒い!

 今日は暑かった。
 今日も熱帯夜。
 
 電車の中は寒かった。

 夕方、家に帰るとき。
 夕暮れが遅くなってまだ空が明るい時間。
 
 本を買ってぱらぱらページを繰りながら帰った。
 あまりに外れだったので、題名は書かない。
 
 最寄り駅まで30分。
 気がつくと手が痺れてる。
 痛いほどじゃないけれど妙にページが繰りにくい。
 軽く麻酔にでもかかったみたいに
 動きがのろい。

 本を読むのに夢中で気づきが遅れた。
 電車の中は、無闇矢鱈に寒かった。
 
 私はそのとき
 袖なしで、
 血行不良で、冷え性で、
 他の設定温度より2度高いっていう車両には座れなかった。

 でも・・・・・
 指が痺れるほどに冷房入れる意味って一体何かしら?
 前に座るおじさんは、
 大きく開いた足をすぼめた。
 私の隣の女性の腕はかなりの鳥肌が立っている。
 前の婦人はひざ掛けを広げた。

 立っている人も、つり革をつかんでない腕で、
 つり革をつかんだ腕をぎゅっと握って肩をすくめた。
 
 こんな寒さで一体誰が快適だって思うんだろう?
 外から入ったときはいいけれど、
 みんなすぐに顔が強張る。

 汗をかいて入って来た人、
 湯冷めをしちゃうときのように
 汗が引いて風邪引いちゃうわ。
 
 暖かくしたくたって、転落防止か窓は開かない。
 線路脇の草花は
 暑そうな太陽の光を浴びてげんなりしているっていうのに。

 実際問題、誰がそこで快適なのか
 サッパリ私はわからなかった。
 
 冷房なんて掛けなくたって、
 昔みたいに天井に扇風機が付いていたり
 窓が開けられれば
 ただそれだけで
 我慢できるくらいに涼しいはずなのに。
 できる涼み方をしないのって、
 資源の無駄、無駄の垂れ流しって言うのじゃないかと
 八つ当たり気味に考える。
 
 より以上の快適さを求めるために、
 害になってちゃ本末転倒はなはだし!
 
 ラッシュのときは、
 人の体温もあるから、ある程度かけすぎても
 緩和されていいけれど。

 室温だってなんだって、「時と場合によりけり」でしょう!
 ある程度、人は季節に応じて適応できる体に出来ている。
 夏と冬では平均体温だって若干違う。

 人の体の能力を、そんなに甘くみなくったっていいんじゃないかしら?ね、誰かさん!
 
 大体、政治家の皆様は
 出生率が低下だ低下だ言っているけど、
 あんなに寒〜い状況下に
 置かれていては、女性だって男性だって
 体の機能がおかしくなるのは
 不思議でないと思うのだけど、どうかしら。
 地球温暖化危機を叫ぶばかりじゃなくて、
 こういうことも考えてみてほしいもの。

 いろんなこと、意識が低くなったって言われているけれど
 「しかたない部分があるんじゃないの?」
 って言いたくなることも多い。

 例えばの話だけれど。

 子供時代からの睡眠不足(塾通い)、
 運動不足に夜更かしの習慣化(私もだけど)、
 食事の絶対量の減少と、栄養バランスの崩れた食生活。
 
 最近、献血をする人が減ったというけれど
 ただ「意識の変化」だけじゃなく、
 貧血だったりして、献血できない人も増えていると思う。
 そんな「今」あまり見つめてないんじゃないかな。

  なんとなく、
 全てにおいて最近は
 一面的な見方が広がりやすい気がする。
 片一方の意見だけ聞いて済ますような。
 それは、とても危ないことだ。
 
 知ることは怖い。
 でも、知れるのに(考えられるのに)知ろうとしないこと。
 情報もわからないので選択できず、
 与えられるものをただ受け止めるだけなら、もっと、ずっと怖い。

 前、イスラムのことを研究していた大学の先生が言っていた。
 「目には目を」という言葉。
 「目をやられたら、目をやり返せ」という意味じゃない。
 「目をやられたら、目をやり返すことまでで終えなさい!」っていう意味らしい。
 それ以上、争いごとを続けないために。
 
 私達は、イスラムのこともあまりに知らない。
 オサマ・ビン・ラヴィンが9・11の容疑者だと知っている。
 各国の首脳が彼を容疑者だと決めた決定打の情報は、結局知らない。
 世界でもトップ10に入るような彼の資産が、今どこでどう使われているのか、私は知れない。