ただそれだけのことだけど・・・

 自転車に乗って、隣の駅へ行った。
 祖母の忘れ物を届けに。

 誰もいない道、車も来ない線路脇の細道。
 夏椿か、椿のような葉の木がぷっくりと脹らんだつぼみをつけている。
 くちなしの花はそろそろ終わる。
 
 「試験」と名のつくものにはどうも一夜漬けの傾向がある私。
 この所ブログをしながら夜更かしをしている。
 明日はちょっとした試験がある。
 一夜漬けの傾向がある私は・・・・現実逃避の傾向もある。
 ブログ&一夜漬け=昼間うとうと
 
 誰もいない道に差し掛かると
 自転車の上でもふらっと目を閉じてしまう。
 ちょっと疲れているらしい。
 
 もともと、目が疲れると
 平衡感覚のチェックも兼ねて目をつぶって歩いていく癖がある。
 車の交通量が少ないからこそ出来ること。

 どうもその癖が、自転車の上でも出てしまう。
 前に誰もいないことを確認し、
 所々で目を開く。
 
 閉じるたび、開けるたび、
 いつも見えないものが感じられ、
 見ているつもりだったものが鮮やかに見えていく。

 自分の下で軽くギッギと言いながら動く自転車の息づかい、
 前輪と後輪、比べてどちらのタイヤの空気が足りないのかがつたわってくるような気がする。
 線路の脇の草の匂いが強くなった。
 虫の声が太く大きくなったことに気づく。
 春先とは、虫の大きさが違うからかな。
 きっと夏が近くなって胴回りが太くなり、反響が大きくなっているんだ。
 ってふと思う。
 
 虫の成長は目に見えて早い。

 目を開ける。
 世界がぐっと明るくなった。
 目を細めると、クロアゲハが右の家に入って行くのが見えた。
 そういえば今年は
 ルリアゲハとクロアゲハをよく見かける。
 モンシロチョウもたまにいるけど
 シジミチョウは見なくなった。
 
 角の家と道路の間に
 ケヤキの小さな幼木が顔をのぞかせていた。
 ブロック塀の灰と、アスファルトの黒に挟まれた緑は
 なんだかとても鮮やか。

 気がついたらぼんやりとした眠気が消えていた。
 ただ、それだけのことだけど・・・

 


 今日は勉強しなくっちゃ・・・はぁ