日本は、砂金が出たから桜好き?

一昨夜のこと。どうしても、ここの桜が見たくって、六本木駅に降りたら氷雨。そのまま、屋根の下に戻ったって、良かった筈、なのだけれど、、、。ぐしょ濡れになっても、どうしてもって思わす桜は、やっぱり特別なんだと思う。ここの桜は、下からの照り返し…

日本は、砂金が出たから桜好き?

一昨夜のこと。どうしても、ここの桜が見たくって、六本木駅に降りたら氷雨。そのまま、屋根の下に戻ったって、良かった筈、なのだけれど、、、。ぐしょ濡れになっても、どうしてもって思わす桜は、やっぱり特別なんだと思う。ここの桜は、下からの照り返し…

アメフトは贅沢なスポーツです

「700人?」「ほんと?計算間違いじゃない?」 ゴールデンウィークのある1日。 2700人が最大収容人数の富士通川崎スタジアム。 チケット販売の机で、経過計算中の女性が電卓で入場数を計算をし直している。 会場はかなり埋まって、賑わっている。ひたすらエ…

湯たんぽの夜

真っ暗な台所で、やかんに一杯の水を沸かす。 あまり強火でやっても噴いてしまうから、中火でゆっくりと沸くのを見ている。 静かにしていると、やかんの下からシューシューと紙をこするような音がする。 無骨なやかんの黒い側面をガスの青い炎が、ちらちらと…

待て待てとまれ

「まて!」 「まて!」 おじさんが右手の指をぐっと広げて叫ぶ。 ところが、「いいか、待つんだぞ」とカメラを構えると、右手首から垂れた青い引き綱がくっと引かれて綱先のゴールデンレトリバーが側へ行く。 と、おじさんが「こら!待て」と叫ぶ。 正月のの…

忘れられたもの、交わすもの

「あ・・」 その時、彼女と私の声が揃った。 座席に残された一抱えもある大きな白い布のスポーツバッグには、誰かの背中がそこにあたっていたのを示す丸い窪みがついていた。 「誰?」と、右を見た。 扉の辺りに該当者はない。 そのまま更にぐるっと後ろへ首…

街灯ともる

夜。 寒さでふと、目がさめた。 カーテンの向こうがほんのりと明るくて、透き通るような虫の声が光っている。 秋の声は薄い花弁を幾重にも重ねた花が開いていくのを息を潜めて目撃しているときに似て 音がするのにとが無いような気がする。 小さな風が窓の脇…

「あれ」はどう駐車するのか?

「あ!」 運転席の彼女が叫び、急ブレーキを踏んだ。 「見た?」言いながら彼女が助手席の窓を指差す。 「あ!」 思わず助手席の窓から半身を乗り出し、見送り、「見た!」と叫ぶ。 「あれ、『あれ』よね」と運転席を振り返る。 「夢じゃないよね、ほんとの…

のんべ気取ってちびちびと

すこしくすんだ赤い葉の間からつややかな紅い実が覗いている。 金木犀の香りも遠くなってきて、土がまた甘い香りを醸しだしてきた。 赤いテーブルクロスの上、あかいりんごが3つ。 冷蔵庫を空けたら赤ワインがあった。 午前10時。 ROMBAUERのZINFANDEL2002…

「もう遅い」は本当か?

「実は・・・」と、電話の向こうで彼が言う。 勉強はたくさんしてきた。 社会的な地位基盤も頑張っていたら付いてきた。 でも、ふと考えるとみんなに比べるて恋愛経験が少なくて、 これからも他の人との差は埋められないのではないか。 自分に自信がなくて、…

今を一緒に

目覚めると肌寒さにぶるっと震えた。 そろそろ布団も秋冬に向けて衣替えの季節のようだ。 外へ出ると今日は蝉の鳴き声が全く聞こえない。 1匹くらいいるのではないかと白く曇った空を見上げると、 どこからか金木犀の香りがした。 やわらかい土の匂いもする…

昨日、猫が死んだ

昨日、一匹の猫が死んだ。 灰色の柔らかな5〜6センチの毛が全身を覆っていて、 遠目からもとても賢そうな綺麗な顔をしていた。 黒々としたアスファルトの上、行き交うヘッドライトに照らされた中央の白線の上で 猫はぐったりと体を弛緩させ横たわっていた…

甲子園に・・・

真っ黒な土に膝をつき、四つんばいになって肘をつき、 腕をワイパーのように動かして左手に持った袋へ土を入れる。 両手で地面を押さえつけるように、涙を地面に溢しながら 必死で土を掻き集める。 その選手たちの前で薄い緑がかったつばのある帽子にオレンジの…

蝉の静けさ、にぎやかさ

蝉の声がにぎやかだと思ったら、今日は涼しい。 この所、暑いわりには蝉の声が少なく、不思議だ。 偶然私の周りで蝉が少なかったのかもしれないが、 蝉にとっても最近の暑さは堪えたのかもしれない。 もし、他の人にとっても蝉の声が少なかったのだとしたら…

暑さにげんなりしています

人間には汗をかくための仕組みがこれだけあるのか。 人はこんなにも水分を持っているのか。 と、日々思う。 思ってもみなかったにも汗の噴出孔があり、「人の体って凄いなあ」と、 自分ごとながらに観察してしまう。 ただじっとしているだけでも、プールで泳…

夏の涼

ふっくらとした花びら型をした月が地平線の上辺りを朧に漂っている。 湿り気のある風が、触れた瞬間の熱さと通り過ぎてゆく涼しさを残して去って行く。 蝉の声がジージーと風にまとわりつくように聞こえて、夏の真っ盛りにいることに ふと気づく。 昼のうち…

雪の日

見上げると大きな雪の塊が、睫毛に被さる、髪にかかる。 一片の雪が地上へ落ちてくるのを目が追う間も無数の雪が降り積もっていく。 睫毛に掛かった雪は、重みに何度か瞼を瞬くとフッと溶けて消えてしまった。 雪の降る日はいつもどこか忙しなく、音もなく降…

夏の涼

ふっくらとした花びら型をした月が地平線の上辺りを朧に漂っている。 湿り気のある風が、触れた瞬間の熱さと通り過ぎてゆく涼しさを残して去って行く。 蝉の声がジージーと風にまとわりつくように聞こえて、夏の真っ盛りにいることに ふと気づく。 昼のうち…

宮古島で会ったもの

「昨日まで暖かかったんですよ」と、タクシーの運転手さんが言う。 半袖を着た宮古島の人達は、予想外の寒さに皆寒そうにしている。 運転手さんの袖から覗く腕にも、しっかりと鳥肌が立っていた。 車の免許は2年前にとったきり。 運転技量は命が幾つあって…

そんなこと、出来なければ良いのに

「そんなこと、出来なければ良いのに」と、 新聞で脳死判定やドナーの記事が出ると思う。 誰だって自分や親しい人が死ぬのは嫌だし、 どうしようもない状況で術があるなら縋りたくなる。 当たり前だ。 脳死、植物状態と言われる人にも血液は流れ、息をしてい…

一期一会

北風に、音を立てて欅並木の梢が揺れる。 ザザ、ザザァと頭上に音の道が行く。 先の尖った薄茶の葉っぱが、次柄次へと降ってくる。 道路は所々に枯葉の吹き溜まりを作り、カサカサ、カラカラと葉の転がる音に満ちる。 そうして枯葉たちは車が通るたび、クシ…

落ち葉焚き

段々に東京も寒くなってきた。 日付の変わる頃、ふと空を見上げると、オリオン座が天鵞絨のような夜の中で静かに輝いている。 街灯の灯りが無くても夜道を歩けそうで、街灯を全部取り払ってしまいたいような気になる。 白い星、赤い星、季節とともに星が大き…

元号と西暦

ぽかりと大きな欠伸をひとつ。 まだお布団の記憶に支配されている体に今日の空気を送り込む。 喉や鼻が少し乾いたような気がして、湿気の多い夏が少し恋しくなる。 息をするだけでツンと痛みを感じるほど寒い季節も見えてきた。 今年もあと3ヶ月を切った。 …

世界は私を中心にしはしない

何もできなくても、側にいられれば何かにはなるのではないか。 どんな遠くにいても、少しの声、少しの気配で何かにはなれる。 何もすることが出来なくて、思いを伝えることが難しくても、 思うことそのものが何かになるのではないか。 おこがましいけれどそ…

鬼灯の残る

コップの中で鬼灯が揺れる。 入っていた実も消えて、中を守るための骨組みだけが朱色の籠となって姿をあらわす。 窓から陽射しが差し込むと、金魚のように活き活きとした色彩がコップで躍る。 朱の鮮やかさがとても綺麗で、コップに指を入れクルクルと動かす…

泣くなよ 泣かないよ

台風の夜。 家ごと吹き飛ばしそうな風の中で、 もしも今、屋根が吹き飛んだらどうするだろうと考えた。 小さな頃に見た人形の家のように屋根がガポっと外れて、 雨と風がドウドウと部屋の中を駆けずり回り、 本を巻き上げ、布団を濡らし、友人からの手紙や写…

大きな打ち水

薄っすらとした雲の向こう側から 半分より少しふっくらとした大きな月がのぞく。 このところは雨音のように蝉の声が降る夜もあれば、 蝉の声は控えめで、コオロギ達の囁きが夜を満たす。 そんな日が交替しながら続いている。 突然、凄まじい蝉の声がした。 …

来月を待つ

来月、また友人が結婚する。 もう8年近くの付き合いの友人だ。 色々と遊んだり、様々に笑ったり。 10人ほどのグループの中で、彼女と彼が付き合いだした日も、私達は一緒にいた。 スキー場で、お互いを見る視線の熱さに、冷やかしたり、苦笑したり。 とろ…

残暑見舞いの季節

36度、37度・・・一体誰の体温かと伺うような日が続いている。 ぎっちりと詰まった車の列の脇を通ると、熱い空気の塊が道路から襲い掛かってくる。 この所の厳しい暑さは半端なものではなく、長袖の服など着ていると日に3度は着替えてしまう。 噴き出し…

自転車あそび

道端に止まったスクーターから、古い時計が秒針を刻むような音がした。 メトロノームより少し硬い音が、チッチッチッチと段々小さくなっていく。 音の間隔が広がっていく。 スクーターが頑張って走って熱くなったから、 外気で冷やされた鉄が、こんな音をさ…